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子連れの防災・災害対応 — 地震・水害・停電時に乳幼児を守る実践ガイド

地震・水害・停電など、災害の種類ごとに「乳幼児がいる家庭はどう動くか」を整理しました。事前に流れを知っておくと、いざという時の判断がしやすくなります。

📌 まず最初に — ハザードマップを確認

本記事を読み進める前に、お住まいの地域のハザードマップで「自宅の浸水深」「土砂災害警戒区域か」「最寄りの指定避難所と指定緊急避難場所」を確認しておくと、後の判断がぐっと具体的になります。国土交通省「ハザードマップポータルサイト」から全国の地図を横断検索できます。

はじめに(既存チェックリストとの役割分担)

キッズ集にはすでに 防災・避難準備チェックリスト があり、「何を持ち出すか」「家庭備蓄として何をどれだけ用意するか」を、内閣府防災情報や東京都防災の公式情報をもとに整理しています。持ち出しバッグの中身・備蓄水や食料の目安・家具固定・寝室の備えなどはそちらにまとまっています。

本記事は、その「モノの準備」を補完する形で、「どう動くか」を中心にまとめました。

備えがあれば、慌てる場面が減って動きやすくなります。完璧を目指す必要はなく、家族構成や住む場所の事情に合わせて、できるところから取り入れる前提でお読みください。

地震発生時の初動(家・外出中・園)

地震は予告なく起きます。揺れている間の数十秒〜数分は「子供をどう守るか」「自分はどこに身を寄せるか」を反射的に動けるように、場面別の動きをイメージしておくと落ち着いて行動しやすくなります。

家にいる時

外出中(買い物・公園・電車内)

子供が園にいる時

揺れの後にやっておきたいこと

出典:内閣府 防災情報「減災への取組」気象庁「地震について」

水害(洪水・台風・大雨)への備えと避難判断

地震と違い、水害は「数日前から備えられる」「数時間〜数十分の準備時間がある」のが特徴です。早めに動けるかどうかが、子連れ避難の負担を大きく左右します。

事前準備(梅雨・台風シーズン前に)

避難判断のタイミング

気象庁は警戒レベルを5段階で運用しており、自治体はレベル3で高齢者等避難、レベル4で避難指示を発令します。乳幼児連れの家庭は、高齢者等避難の対象に該当する自治体もあります(自治体ごとに対象範囲が異なるため公式案内を確認)。

子連れの場合、レベル4を待たずにレベル3で動き始めるのが安全です。ベビーカーが使えない冠水路を歩く・暗闇の中で抱っこ移動・荷物が重い、といった条件は、判断が早いほど避けやすくなります。

出典:内閣府 防災情報「避難情報に関するガイドライン」気象庁「キキクル(危険度分布)」

避難する時の持ち物(水害特有)

停電・断水時の乳幼児対応

大規模災害でなくても、台風・落雷・近隣火災などで数時間〜数日の停電・断水は十分起こり得ます。乳幼児がいる家庭は、特に「ミルク」「冷蔵庫の中身」「夏冬の室温」「スマホ電源」の4点で対応が必要になります。

粉ミルク・授乳

冷蔵庫・離乳食

夏冬の室温対策

スマホ・通信機器の電源確保

断水時のトイレ・衛生

在宅避難(自宅が無事な場合の数日間)

建物の損傷がなく、避難所に行く必要がない状態で数日間を過ごすパターンを「在宅避難」と呼びます。乳幼児連れにとっては、慣れた場所・寝具・おもちゃがある分、避難所より過ごしやすい場合が多いです。

在宅避難で意識したいこと

数日間の食事ローテーション

備蓄の主食(アルファ米・レトルトご飯・乾パン)と主菜(缶詰・レトルト)の組み合わせを2〜3パターン用意しておくと、子供が飽きにくくなります。乳児はベビーフード・液体ミルク、幼児は食べ慣れたふりかけ・お気に入りのおやつを少しずつ。ローリングストック法(賞味期限の近いものから日常で消費・補充)で、平時から備蓄を回し続けるのが基本です。

近隣との情報共有

同じマンション・町内会で乳幼児がいる家庭同士、平時から顔見知りになっておくと、災害時の情報共有・物資の融通が回りやすくなります。「うちは赤ちゃんがいます」「ミルクが足りなくなりそう」など、声を出せる相手を1〜2軒作っておくと安心です。

在宅避難中に水道・電気・ガスを確認するポイント

避難所での乳幼児(プライバシー・夜泣き等)

避難所は不特定多数の人が共同生活する場で、乳幼児連れにとってはストレスが大きい環境になりがちです。多くの自治体では「福祉避難所」(高齢者・障害者・乳幼児・妊産婦などの要配慮者向け)を別途指定していることもあるので、ハザードマップや自治体公式ページで事前に確認しておきましょう。

避難所で起こりやすい困りごとと工夫

避難所運営に伝えておきたいこと

避難所での1日の過ごし方の工夫

出典:内閣府 防災情報「避難所の確保と質の向上に関する取組」

連絡手段の確保(171・LINE・園との連絡)

災害時は携帯電話の音声通話がつながりにくくなる一方、データ通信(LINE・メール・SNS)は比較的つながりやすい傾向があります。複数の連絡手段を組み合わせるのが基本です。

災害用伝言ダイヤル 171

LINE・SNSでの安否確認

遠方の親族を「中継点」にする

被災地内の通信は混雑しても、被災地から外への通信は比較的つながることがあります。遠方の祖父母・親戚を「家族全員が連絡する中継点」として決めておくと、家族間で直接つながらなくても安否を共有できます。

通信手段の優先順位(つながりやすい順の目安)

園との連絡経路

自治体・公的支援(罹災証明・臨時休園対応)

大規模な災害が発生した場合、各種の公的支援制度が用意されています。手続きが必要なものが多いので、概要を知っておくと「使えるはずだったのに知らなかった」という事態を避けられます。

罹災証明書

被災者生活再建支援制度

自然災害により住宅が全壊・大規模半壊・中規模半壊などの被害を受けた世帯に、生活再建のための支援金が支給される制度です。支給額は被害区分と再建方法(建設・購入/補修/賃借)で変わります。

出典:内閣府 防災情報「被災者生活再建支援制度」

園・学校の臨時休園対応

その他の支援

こうした制度は自治体窓口(市区町村の福祉課・防災課)で一元的に案内されています。被災直後で動けない時は、電話相談だけでも先に行って、必要書類のリストをもらっておくと後がスムーズです。

年齢別の特別な配慮(0歳・1〜2歳・3〜6歳)

同じ「乳幼児」でも、0歳・1〜2歳・3〜6歳では災害時に配慮すべきポイントが変わります。下記は一般的な目安で、個人差・家庭の事情で前後します。

年齢 特に意識したいこと 追加で備えたいもの
0歳(乳児) 授乳・調乳・おむつ替えが頻繁。暑さ・寒さの影響を受けやすいため室温・防寒に配慮。抱っこひもで両手を空けて移動 液体ミルク/使い捨て哺乳瓶/紙おむつ多め/おしりふき/薄手のおくるみ(防寒・授乳ケープ兼用)
1〜2歳 歩き始めて好奇心旺盛。避難所では迷子・転倒のリスク。食事はまだ大人と完全には共通でない(咀嚼・味付け) パンツタイプおむつ/子供用マスク/ストロー付きマグ/常温保存できるおやつ(ボーロ・小袋ゼリー)/お気に入りのおもちゃ1〜2点
3〜6歳 状況をある程度理解できる年齢。事前に「災害時は何をするか」を家族で話しておくと、当日落ち着きやすい。集団生活の時間を持つ子も多く、園との連携が重要 連絡先メモ(防水ケースに入れて服のポケットへ)/笛(はぐれ・閉じ込め用)/反射板付きキーホルダー/防災頭巾/絵本・お絵かき帳(避難所の時間つぶし)

共通:子供の心のケア

持病・服薬がある場合

常備薬がある子供は、お薬手帳のコピーを持ち出しバッグに入れておくと、避難先の医療機関で同じ処方を続けやすくなります。具体的な薬の扱いや備蓄量は、かかりつけの小児科で相談しておくのが安心です。

事前に家族で話しておきたいこと

3歳以上の子供には、年齢に応じて以下のような内容を、絵本やイラストも使いながら少しずつ伝えておくと、当日落ち着いて行動しやすくなります。深刻に話しすぎず、「もしもの時の約束ごと」として軽く繰り返すのがコツです。

出典・参考

※ 本記事は2026年5月時点の公的・準公的情報をもとに、乳幼児がいる家庭の防災・災害対応を一般的に整理したものです。家族構成・住環境・地域のハザード(地震/津波/水害/土砂災害/火山)によって優先度や具体的な動き方は変わります。最新情報・地域固有のリスクは、必ずお住まいの自治体公式ページ・ハザードマップでご確認ください。本記事は医療的な手当てや個別の避難判断を保証するものではありません。