一時預かり・ファミサポ・病児保育の違いと使い分け
「用事のあいだだけ」「子どもが熱を出して仕事を休めない」——そんなときに頼れるのが、市区町村の3つの仕組みです。一時預かり事業・ファミリーサポートセンター事業・病児保育事業の違いと使い分けを、こども家庭庁の公開情報をもとに整理します。
これらはいずれも「地域子ども・子育て支援事業」として市区町村が実施する事業で、対象年齢・利用できる場面・料金・予約方法・実施の有無はお住まいの自治体によって異なります。本記事は2026年7月15日に国(こども家庭庁)の実施要綱等で再確認した内容をもとにした一般的な解説です。多くは事前の登録が必要で、当日いきなり使えないことがあります。詳細・最新情報はお住まいの市区町村の窓口・公式案内で確認してください。
3つの仕組みの早見表
| 仕組み | 主に使う場面 | 預かる場所・担い手 | 子どもの状態 |
|---|---|---|---|
| 一時預かり事業 | 用事・通院・リフレッシュ等で一時的に保育が必要なとき | 保育所・認定こども園・幼稚園・子育て支援拠点など(保育者) | 健康なとき |
| ファミサポ | 送迎、保育の開始前・終了後や外出時などの短時間の預かり | 講習を受けた地域の会員(提供会員)。会員の自宅・児童館・子育て支援拠点など | 健康なとき(病児・病後児や早朝・夜間等の緊急時は、対応するセンターのみ) |
| 病児保育事業 | 病気・病気回復期で集団保育が難しく、勤務等の都合で家庭での保育が難しいとき | 病院・保育所等に付設の専用スペース(看護師等)。自宅に訪問する型もあり | 病気・回復期 |
一時預かり事業
家庭で保育を受けることが一時的に難しくなった乳幼児を、主に昼間、認定こども園・幼稚園・保育所・地域子育て支援拠点などで一時的に預かる事業です。国はこの事業の目的として「日常生活上の突発的な事情や社会参加などにより、一時的に家庭での保育が困難となった場合」に加えて「保護者の心理的・身体的負担を軽減するために支援が必要な場合」も挙げています。保護者の通院・冠婚葬祭・短時間の仕事、きょうだいの行事、育児疲れのリフレッシュなどに使えますが、利用できる理由や条件は自治体・施設で確認してください。
※ 以下は、もっとも一般的な一般型(保育所などで預かる形)を中心にした説明です。このほかに幼稚園型・余裕活用型・居宅訪問型(自宅で預かる形)があり、対象・場所・利用条件が異なります。
- こんなとき:上の子の行事、通院、面接、たまの息抜き など
- 場所:保育所・こども園・幼稚園・子育て支援拠点 など(居宅訪問型では自宅)
- 申込:実施施設・自治体に事前登録・予約(施設により方法が異なる)
ファミリー・サポート・センター事業(ファミサポ)
子育ての援助を「受けたい人(依頼会員)」と「行いたい人(提供会員)」が会員になり、市区町村のセンターが両者をつなぐ地域の相互援助の仕組みです。提供会員は所定の講習を修了した地域の会員で、保育施設の送迎や、保育の開始前・終了後、冠婚葬祭や買い物などの外出時の預かりを担います。ここまでが全センター共通の「基本事業」です。病児・病後児の預かりや、早朝・夜間など緊急時の預かり、宿泊を伴う預かりは、これとは別の「病児・緊急対応強化事業」にあたり、実施しているセンターでのみ利用できます。ひとり親家庭への支援(提供会員の優先調整など)も、実施する自治体で行われています。
- こんなとき:保育園・習い事の送迎、勤務時間と開所時間のすき間、冠婚葬祭や買い物での外出 など
- 担い手:所定の講習を修了した提供会員(預かる場所は、会員の自宅・児童館・地域子育て支援拠点など、子どもの安全が確保できる場所から会員間の合意で決まります)
- 申込:利用前にセンターで会員登録が必要。提供会員との事前の顔合わせを行う地域もあります
病児保育事業
病気中や病気の回復期で、集団保育(通常の保育園など)に通うのが難しく、かつ保護者の勤務等の都合で家庭での保育が難しい——そんなときに、病院や保育所などに付設された専用スペースで、看護師等が一時的に保育する事業です。国の実施要綱は対象児童を「集団保育が困難であり、かつ、保護者の勤務等の都合により家庭で保育を行うことが困難な児童」と定めています(「勤務等」の範囲は自治体の判断によります)。利用には事前登録と、当日の予約・診療情報(医師の連絡票など)が必要になることが一般的です。
※ ここでは保護者が申し込んで使う病児対応型・病後児対応型を中心に説明します。このほかに、看護師等が自宅を訪問する非施設型(訪問型)や、保育中に体調が悪くなった子どもに園で対応する体調不良児対応型があります。
- こんなとき:子どもが病気・回復期で登園できないが、勤務等の都合で家庭での保育が難しい
- 場所:病院・診療所・保育所等に付設の病児保育室(看護師等が対応)。自宅への訪問型を実施する自治体もあり
- 申込:事前登録+当日予約が基本。医師の記入票が必要な場合あり
場面別の使い分け
- 健康な子を数時間〜1日預けたい → 一時預かり事業
- 送迎や開所時間のすき間を埋めたい/外出のあいだ短時間だけ預けたい → ファミサポ(事前の会員登録と調整が必要)
- 子どもが病気・回復期で、勤務等の都合により家庭での保育が難しい → 病児保育事業
- 就労にかかわらず、園に通っていない子どもを月の利用枠の中で通わせたい(0歳6か月〜満3歳未満) → こども誰でも通園制度
- 毎日の継続的な保育が必要 → 認可保育園など(保活の進め方)
共通の注意点(登録・料金・空き)
- 多くは事前登録が必要:当日いきなり利用できないことがあります。出産後や入園前など、落ち着いているうちに登録だけ済ませておくと安心です。
- 料金は自治体・施設で異なる:国が一律の金額を定めているわけではありません。負担軽減(減免)の有無や条件も事業ごと・自治体ごとに異なります。金額は必ず自治体・施設で確認してください。
- 受入れ枠・空きに限りがある:特に病児保育は感染症の流行期に予約が集中します。複数の選択肢を把握しておくと、いざというときに動けます。
- 実施の有無も自治体差:すべての市区町村ですべての事業が同じように整備されているわけではありません。
よくある質問(一時預かり・ファミサポ・病児保育)
一時預かり・ファミサポ・病児保育はどう使い分ければいいですか?
健康な子どもを数時間〜1日預けたいときは一時預かり事業、送迎や開所時間のすき間を埋めたいときはファミサポ、子どもが病気や回復期で勤務等の都合により家庭での保育が難しいときは病児保育事業が目安です。使う場面と子どもの状態で選ぶと分かりやすくなります。
これらの事業は当日いきなり利用できますか?
多くは事前登録が必要で、当日いきなり利用できないことがあります。出産後や入園前など、落ち着いているうちに登録だけ済ませておくと、いざというときに動きやすくなります。
料金はどの自治体でも同じですか?
国が一律の金額を定めているわけではなく、料金は自治体・施設によって異なります。負担軽減(減免)の有無や条件も事業ごと・自治体ごとに異なります。金額は必ずお住まいの自治体・施設で確認してください。
病児保育はいつでも予約できますか?
病児保育は受入れ枠に限りがあり、感染症の流行期には予約が集中して取りにくいことがあります。利用には事前登録に加え、当日の予約や医師の記入票が必要な場合もあります。複数の選択肢を把握しておくと、いざというときに動けます。
出典・参考
- こども家庭庁「ファミリー・サポート・センター」
- こども家庭庁(子育て支援・地域子ども・子育て支援事業)
- こども家庭庁「保育」(一時預かり事業・病児保育事業 ほか)
- 病児保育事業実施要綱(PDF・事業類型・対象児童)
- 子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)実施要綱(PDF・令和8年4月改正・基本事業/病児・緊急対応強化事業)
- 多様なニーズに対応した保育の充実②(病児保育・延長保育・一時預かり等)(PDF・令和8年3月版・事業の目的と類型)
- こども誰でも通園制度 公式ポータル(対象年齢・利用枠)
※ 本記事は2026年7月15日に国(こども家庭庁)の実施要綱等で再確認した内容をもとに、3つの子育て支援事業の一般的な仕組みを解説したものです。対象年齢・利用できる場面・料金・予約方法・実施の有無は自治体によって異なり、今後変更される場合があります。実際の利用にあたっては、お住まいの市区町村の窓口・公式案内で最新情報を必ずご確認ください。